当日お子様たちにお話しした講評をまとめました。
参加者の皆様、よろしければ参考までにご覧ください♪
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<小学校低中学年部門>
最近色々なコンクールを聴いて感じるのは、全国的にテクニックは年々向上しているということです。小さな子供たちでも、どんどん難しい曲が弾けるようになっていて、もちろんそれは素晴らしいことですが、音楽にはそれ以外の部分でも大切なことがたくさんあると思います。
低中学年部門を聴いて私が気になったことは、大きく分けて2つありました。
1つは、音に対する意識を大切にして欲しいということです。一生懸命弾こうとするあまり、ピアノを叩きすぎてしまい、ピアノから「痛い!痛い!」と聞こえてきそうな音がいくつかありました。その曲のその場面で、どんな音を出したら素敵か、聴いている人に『良いなぁ』と感じてもらえるかを想像しながら、練習して欲しいです。
もう1つは、フレージングをよく感じてほしいということです。これは、実は1つ目の音に対する意識と繋がっていることでもあると思います。目先の音を弾くことに夢中になり過ぎず、その音がどこに繋がっていくのか、どう変化していくのか、ということを考えてほしいなと思いました。
<小学校高学年部門>
とてもレヴェルが高く、誰が入賞してもおかしくなかったと思います。
心も身体も大人へと変化していく難しい時期ですが、技術と表現をバランスよくまとめられている演奏が多かったです。その中で、結果を分けたのがどんな所だったのか、お話しします。
私が一番感じた差は、皆さんがどれだけ作品に共感し、作曲家の思いを表現しようと準備できたかという部分です。もう一段レヴェルの高いことを言うと、その準備ができた上で、本番でも実際にピアノで、自分の音を通して表現できた人たちが、今回は入賞に繋がったのかなと思いました。
全部門に共通して言えることですが、自分の音楽を成長させることは、自分の心を成長させることにも繋がります。なぜなら、音楽は食事や睡眠と違い、無くても生きていけますが、より心豊かに生きるためには必要不可欠なものだと私は思っているからです。今回、私自身も常に人間力を高めていくことが大切だと、皆さんの演奏から改めて教えられました。練習は大切ですが、ただ黙々とピアノに向かうだけでなく、たくさんのことに興味を持ち経験することで心を育みながら、これからも頑張ってください。